ロードス島戦記の著者は水野良氏、1988年に著者の小説が角川文庫から創刊されてから様々なメディアミックス作品が登場話題を集めています。
水野良氏は魔法戦士リウイでも知られる作家ではありますが、作家以外にもゲームデザイナーとしての知名度もある著者です。
ロードス島戦記はファンタジー作品で、これの前にはロードス島伝説、続編に新ロードス戦記があり、最新作のロードス島戦記誓約の宝冠は2019年8月1日からの続編にあたるものです。
ロードス島は呪われた島と呼ばれている場所、一時期は真の平和が訪れたかと思われたが再び悪しき存在が出現する、マーモ公国の末裔でもあるライルは、伝説として語り継がれている永遠の乙女の力を借りて、悪しき存在と戦いロードス島の危機を乗り越えようとします。
ストーリーは平和な場面から一気に悪からの危機に立たされる、このような設定になっているのが特徴です。
主な登場人物の中での主人公はライルと伝説の乙女でもあるディードリット、この人物はかつてロードスの戦士パーンとともに旅をした伝説のハイエルフで、いつの間にか人々の前に姿を現さなくなったのです。
ロードス島戦記の第一巻・誓約の宝冠はプロローグから第1章~第3章、エピローグ、外伝・光と闇の境界、そしてあとがきの構成になっており、第一章はマーモの継承者、第二章はフレイムの進撃、第三章はカノンの内覧、こうしたタイトル構成です。
主な登場人物のベルドは暗黒皇帝と恐れられた旧マーモ帝国の皇帝であり、魔神王を倒した六英雄の一人です。
以前の作品の中では、暗黒皇帝ベルドに率いられたマーモ帝国軍と至高神ファリスを奉じる神聖王国ヴァリスとの英雄戦争が描かれているのです。
カシューはフレイムの初代国王で英雄戦争のときにはマーモの暗黒皇帝ベルドを討ち果たすなど活躍した英雄です。
パーンは自由戦士として六王国すべての地で勝利を収めておりロードスの騎士の称号を得た英雄です。
ロードス島は、北東部アラニア王国領の寒村ザクソンその南側にカノン王国およびマーモ王国があり、島の中央北側はフレイム王国・南側はヴァリス王国、モス公国の六国で構成されている島で、モス公国は統一国家でなく所属各国の国王から選帝会議の中で選出される、諸国を代表する公国です。スレインはスパークと娘のニースを終末から救出、北の賢者とも呼ばれている元フレイム王国の宮廷魔術師になります。
ウォートは荒野の賢者と呼ばれている人物で、ありとあらゆる魔法を使うロードス最高の魔術師、レオナーはカノン王国の国王で王子の身分を隠しながら滅亡してしまったカノンを開放したことにより帰還王と呼ばれていた王子です。
スパークはマーモ公国の初代国王でカーディス戦団との闘いから生還、暗無の島を統治支配します。
そしてレイリアは大賢者でもあるスレインの妻であり、ロードス島の歴史の裏で活躍したカーラに取りつかれパーンの活躍により解放されたのです。
プロローグの中では、ロード島はアレクラスト大陸の南に浮かぶ島とあり、大陸に住む人々はかつて呪われた島と呼んでいたことが記されているのです。
50年もの間には3つの大陸戦争が起き、その大戦こそが魔神戦争・英雄戦争・邪神戦争です。この3つの大陸戦争が終わりロード島は平和な日々が訪れる、誓約の宝冠の中での6つの王国、アラニア王国・カノン王国・フレイム王国・ヴァリス王国・モス公国・マーモ王国は不可侵な契約を結びました。
この契約の中には問題が起きたときには国王が集う会議の際に話し合いで解決するものとしており、魔境においてもその地に住み着いてた魔物ともども消滅させるとしたのです。
3つの大陸戦争でロードス島は風と炎の砂漠化が起きてしまう不毛な大地であったものの、対戦が終わることで水と大地の精霊力が復活してゆっくりではあるものの緑化が進み始めたのです。
不帰の森は古の妖精が戻る自由に出入りができるような環境になって来た、魔竜と恐れられていた火竜山の主が倒されたことで当時猟場だった肥沃な大地は大規模な開拓が行われ、最大の魔境といわれていた暗黒の島マーモにおいても闇の力を残しつつも厳格な法律により統治が進み始めました。
これらのことからも、ロードス島のことを呪われた島と呼ぶ者はいなくなった、人々は平和が永遠に続くものだと信じ始めるようになる、こうしたストーリーで幕を開けます。
尚、六王会議を取りまとめたのがウォートで、会議の幕の中で六王の英断に心からの敬意を表し、いずれ各国は自分が所蔵する魔法の品々・財宝を贈り、魔法の武具もあれば統治の助けになる宝物もあるといいます。
ただ、魔力に頼るだけでは専念の平和を守ることはできない、闘いの愚かさを後世まで伝え続けることが重要、ロードス統一などの野心を抱いていたため、大切なものをすべて失うことになってしまった、このように言い残した後ウォートは瞬間移動の呪文を唱えると同時に姿を消したのです。