今やあおり運転は、決して他人事ではありません。気が付くと自分がターゲットにされることもあるでしょうし、または知らない間に誰かをあおってしまっているかもしれません。
普通にマナー良く運転をしていても当事者になる可能性があるため、特に高速道路などでは一層の対策を取っておいた方がいいでしょう。
ではそのために必要なことは何なのか、まず第一に他人を刺激する運転をしないことです。
あおり運転は一見無差別にターゲットを決めているように見えますが、実際にはその大半に何かしらの布石があって行われています。
例えば道を譲るべきところで譲らなかった、或いは車間距離が近くなるまでマークしているように思われたなどです。
他には発進や停車が乱雑な場合や、不用意なクラクションで目を付けられることもあります。
つまり常に心に余裕を持ち、他の車を尊重する意識が結果的には予防策になるのです。
クラクションも本当に危険なときや何か事情があるときだけに限定し、車線変更の際はバックミラーをよく見てしっかりとウインカーを出しましょう。
音漏れをするほどの大音量の音楽も、止めておくに越したことはありません。
あおり運転の加害者はそもそも別のことでイライラしていたという事例も多いため、被害者側は小さいことのように感じてもそれが引き金になるかもしれません。
だからこそ加害者が一様に口にするのは、先にあおられたからという言葉なのです。誤解を受けない運転を心掛けて、未然に危険を防ぎましょう。
車を降りている間にも、気を付けるべきことがあります。あおり運転は主に高速道路などで行われることが多いのですが、被害者の声を集めていくとサービスエリアで起きたトラブルが発展して被害に繋がっているケースが見られるのです。
それこそトイレの順番待ちや、売店でのちょっとした身体の接触がきっかけになることがあります。
最近でもサービスエリアでの駐車の仕方が気に入らず、あおって事故を誘発させたという事件が起こったのは記憶に新しいでしょう。
休憩中や買い物中にも注意を払い、他人を刺激しないよう過ごすことが重要になってきます。
もし以上のようなことに気を付けてもあおられた場合は、絶対にあおり返さないようにしてください。
その上で加害者に対し強い効力を持つのが、他ならぬドライブレコーダーの存在です。
ドライブレコーダーはあおり運転の貴重な証拠を映像で残すだけでなく、その存在に気付いた加害者を萎縮させる効果も期待できます。
そもそも一昔前のあおり運転は、後からいくらでも言葉で誤魔化せるだろうと踏んで行われるものがほとんどでした。
ところが現代では手頃な価格でドライブレコーダーが普及し、時に護身の役割も果たしてくれます。
仮に普段はそこまで運転をしないという人でも、1台は備えておくと安心できるはずです。
加えて、車の後方を記録する用に2台目を買うのも賢明です。あおり運転は後ろから行われることも多く、フロントガラス部分に設置するだけではその記録ができません。
ですから前後それぞれのガラス部分にドライブレコーダーを設置し、どちらからあおられても大丈夫なよう備えられると理想的です。
一方で、携帯電話などを向けて露骨に撮影している様子を見せるのはいけません。記録する意味では同じなのですが、これは加害者を強く刺激する行為になる可能性が高いのです。
運転中に携帯電話を触れば自分も罰則の対象になりますし、何も良いことはないと思った方がいいでしょう。
万が一ドライブレコーダーがなく記録ができないということになれば、素直に安全な場所に停車して警察に通報してください。
あおり運転をする加害者には、陰湿な人間も多いです。
人目が多くあると途端に大人しくなる加害者も多いため、渋滞している道路に敢えて入ることも対策になります。
渋滞していると前後に別の車が入ってくれ動きも止まりがちになることから、それ以上はあおれなくなるメリットまであります。
様子がおかしければ他のドライバーが通報してくれたり、他の車のドライブレコーダーに一部始終が記録されるかもしれません。
自分だけの力で何とかしようとせず、あおられにくい状況に入っていくことも対策になるのだと覚えておきましょう。
最後に、あおり運転は危険運転致死傷罪が適用されます。
被害者が軽症で済んでも、最大で15年以下の懲役となる重大な罰則規定なのです。
免許は最大で62点の減点、悪質なケースなら二度と車には乗れなくなるかもしれません。
これでもまだ軽いのではないかと言われるくらい、世間では重罪だと認知されています。
ですからあおり運転をしないことはもちろん、された側になった際には必ず警察に相談をして罪を償わせましょう。
泣き寝入りは絶対にいけませんし、大事にしたくないと通報を怠れば第二第三の被害者が生まれます。
自分自身があおり運転に遭わないよう気を付けると共に、加害者はしっかり罰せられるべきなのだという強い気持ちもどうか忘れないようにしてください。
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