様々な医療ドラマが時代を超えて制作され放映されていますがその中でも最も秀作であり何度かリバイバルされているのが白い巨塔です。
その中でも私が最も印象に残っているのは唐沢寿明さんと江口洋介さんが主役を務めたシリーズになると思います。
このドラマの見どころをいくつかのポイントに分けて紹介していきたいと思います。
医療過誤訴訟の考え方
医療過誤訴訟がどれほど難しいものであるか、証明すべきが原告側であると言う非常に難しい現実をこのドラマを通じて知りました。
そもそもこの原作を描いた山崎豊子さんが、詳細の主題に基づいてよりリアリティーの高い作品を作っていることを考えるとこのドラマで描かれていることも本当に現実的にあり得ることなんだなと感じました。
また、まだまだ私が学生時代だったので顔と言う病気がどれほど大変で、それを治療にあたる医師がどれだけ大変であるかと言うことも素人ながらに感じた次第です。
このドラマの中で医療過誤を証明するためにどのような手順を取るのか、非常に面白かったことを覚えています。
結局はテクニカルなことよりも医師としての誠意や患者への想いがポイントになる事は非常に感銘を受けました。
現在も医療過誤について時折インターネットやテレビで見かけますが照明をすることがどれだけ大変なことかその都度感じてしまいます。
癌という病気の怖さ
現在においても日本人の2人に1人が癌に罹患し、3人に1人が癌で亡くなると言う時代です。
さらに白い巨塔が描かれた時代と言うのは、がんの治療については外科がメインであり、内科による治療はまだまだ進んでいなかったのが現実です。
そんな時代でも癌の治療を患者のために行うのだと言う強い思いを持って研究に励んでいた江口洋介演じる里見の思いが非常にすばらしいと思います。
実際に現在のがん治療においては外科治療だけではなく化学療法、いわゆる内科療法も非常に進歩しており、この姿をドラマの中とは言え里見が見れば本当に喜ぶのではないかと考えてしまいます。
医者の不養生
唐沢寿明が演じる財前は自分自身が世界に名だたるがん治療の外科医にもかかわらず、癌が末期に至るまで気づかず、病に倒れてしまうわけです。
ドラマの中でもありましたがまさしく無念だと言う言葉はこれ以上の当てはまる言葉は無いのではないかと思いました。
財前と里見の本人にしかわからない友情
ただ真摯にがんの治療に向けて研究に励んだ里見と野心はあるものの外科で1人でも多くのがん患者を救おうとした財前。
それぞれの思いは異なるものの医療に携わる者として誇るべき人物であった事は言うまでもありません。
しかしながら、医療に携わる者として患者への接し方を間違ってしまった財前は、里見と対立しながらも最終的には自分の命を落とすに至って、医療に携わる者の心の尊さをようやく気づくことになるのです。
そしてそんな財前に対して最後まで友情を傾けた里見の姿も本当にすばらしいと思いました。
最終的に財前は、自分自身の体を里見に預けることになります。ドラマのエンディングで流れる里見に宛てた手紙。
正しく、本人同士にしかわからない友情の証であると私は感じました。
現在の医療ドラマと比べて
もちろん、現在描かれている医療ドラマも非常に素晴らしいものがありますがこの作品に比べるとどうしても社会的な課題からとらえた深みに欠けるのではないかと思います。
それぐらい、原作の山崎豊子さんの作品が素晴らしく、ドラマで主人公演じた唐沢寿明さんと江口洋介さんの演技力が際立った、最高のドラマだったと私は思います。
この白い巨塔こそが医療ドラマに限らず全てのドラマの頂点です。