日本には、近年様々な外国の文化が入って来ることから、外国の料理なども日本国内で気軽に食べることができるようになりました。
最近は、とくに麺類が流行している傾向があるでしょう。ラーメン屋なども、一昔前に比べるとずいぶんと増えてきました。
その中で、予想外のものが大流行しています。それが、台湾まぜそばになります。
これは別名「油そば」あるいは「まぜそば」などと言われていることもあり、若い世代から中年の世代にかけて大流行しているのが特徴です。
ゆでた中華めんの上に、野菜やそぼろ肉をのせ、その上に生卵の載せて食べるのが特徴になります。
従来のラーメンは、必ずと言っていほど汁が入っていましたが、台湾まぜそばの場合には、まったくと言っていいほど汁が入っていません。そして、日本のラーメンに比べてもピリ辛なのが特徴といえます。
このように、少し日本のラーメンなどとは異なる部分はありますが、これが流行したのもそれなりの理由があるといえるでしょう。
一つは、まだ日本で台湾まぜそばが流行する前に先走って日本でお店を開いたチェーン店が、少しずつ全国に広めたことが理由とも言えます。
台湾まぜそばの発祥地は愛知県の名古屋市ですが、そのお店では2008年にこのそばを発売しようと考えて、翌年の2009年には本格的に商品の一つとして扱うようになりました。
当初は、それほど人気がありませんでしたが、少しずつ関西地方や関東地方の方に広がっていき、いつの間にか全国展開するようになったわけです。
ただ、最初からうまく作ることができた訳ではありません。いろいろな味を試してみたところ、思うような味にすることができず、何度か挫折した経験があります。
ある日、作った具材が大失敗でいつものように捨てようと思ったところ、アルバイトの女性が「捨てるのはもったいないので麺の上にのせて食べていいですか」と断って食べたところ、非常においしかったことがヒットしたきっかけの一つになります。
その後、少しずつ改良されていき、麺も通常のラーメンのものよりも太いものを利用する傾向が出てきました。この方が、食べごたえがあったからです。
次第に、その商品が商品化して多くのファンができました。ファンができると本格的にヒット商品として売り出すことになり、多くの人が知るようになったわけです。2019年現在では、スーパーマーケットなどでも販売されているものもあるぐらいです。
2013年の段階では、「名古屋めし総選挙」と呼ばれるイベントの中で出品して、見事に準優勝を果たします。準優勝をしてからは、名古屋全体にこのそばの知名度が広がってきました。
これにより、ぜひ一度このそばを食べてみたいと言う人も多くなり、いつの間にかお店のトップ商品の一つになったわけです。お店も、お昼時になると多くのお客さんが列を作りしばらく並ばないと食べることができないようになりました。
このように、一つのお店が作った商品がヒットすると、ほかのお店も真似をしたくなるものです。
そこで、ほかの店も似たような商品を作り売り出しをしています。
これにより、大きく知名度が高まったわけですが、台湾まぜそばの元祖のお店は、商標登録をしているものの、裁判で訴えるような形で争うようなことはないと述べています。
むしろ、この商品が広まることに対してうれしく思っているようです。
普通ならば、自分の店が作った商品がほかのお店でもまねをされたら裁判ざたなどになってしまうこともありますが、元祖の店の店主はそのようなことは一切考えずむしろ多く広がった方が自分の店の商品が際立つので良いとしています。
面白いのは、この商品の広がり方は普通のラーメンとは少し違うことです。それは、まずコピーをするのが簡単なことです。
通常ラーメン屋の場合には、同じような商品をつくろうと思ってもなかなかスープの味を似せることができません。
一つのお店でヒットした商品でもなかなか大きく広がることはないわけです。
ところが、台湾まぜそばの場合にはスープを必要としていないため、比較的味を似せて作ることができるようになります。
そのため、通常のラーメンに比べると参入障壁が低くどの店でも売り出そうと思えば売り出せる商品の一つです。
全国に広がった理由は、単に珍しかっただけではありません。その味が非常に絶妙で日本人の舌に合っているからといえるでしょう。
例えば、ラーメンの中に入っているニラとニンニクは非常に絶妙でまるでジェットコースターに乗っているような刺激を味わうことができます。
そして、混ぜれば混ぜるほどそれぞれの味わいがうまく掛け合わされ、独特の味覚を口の中に残すことができるわけです。
それが中毒的に感じることも多くリピート客が増える一方です。
料金に関しても、スープを作る手間が省かれているため比較的安く提供できるのがポイントです。
男性の大人が食べても、1000円以内でおつりがくることも多いでしょう。
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