どこにも地元ならではの料理がある。
でもその料理によって食べる頻度に違いがある。
大きく分けると、香川の讃岐うどんのように毎日でも食べれる料理、行事や時期には欠かせなく決まったタイミングでは必ず食べられる料理がある。
地元に愛される料理も、形はさまざまあってそれでいいと思う。
和歌山の地元料理といえば和歌山ラーメンがある。
地元では中華そばと呼ばれており、近年、カップ麺が発売されるなど全国区のB級グルメとしての認知度があがるとともに和歌山ラーメンとして広く認識されるようになった。
ただカップ麺の和歌山ラーメンだけではわからないことが、数多くあります。
この和歌山ラーメンは基本的には醤油ベースのスープのラーメンだが、各店舗によって少しずつスープの味に違いがある。
そのスープも大きく分けると、2種類ある。
豚骨醤油スープと、醤油スープである。
豚骨醤油スープの方は豚骨独特のにおいと味が際立つ、そして醤油スープの方はシンプルで中華そばというイメージがぴったり。
同じ和歌山ラーメンといっても、いろんな味が楽しめる。
これが、週1がマストな理由でもある。毎日とまではならなくとも、またスープの味が恋しくなるといった感じ。
その週1マストな和歌山ラーメンがさらに進化しつつある。
ネギがラーメン鉢いっぱいで麺どころかスープも見えないネギラーメン。
スープが真っ黒なラーメン、湯浅醤油を使った有田ブラック。
奈良の無鉄砲系ラーメンと融合されたこってり豚骨スープに醤油スープが合わさったこってり濃厚中華そば。
関西では珍しい家系のラーメン、塩豚骨ラーメンと醤油豚骨ラーメンがありますが、おすすめは塩豚骨ラーメン。
このように昔ながらの中華そばと呼ばれるものから、新しく和歌山らしいものを使って進化したもの、他の地域からのこだわりとの融合から進化したもの、さまざまあります。
シンプルな中華そばでも週マストな料理であるのにここまで味わいの異なるラーメンがあると、それぞれのラーメンを毎日食べ歩きができ、飽きがこなくまた食べたくなるラーメンへと進化しています。
そんな和歌山ラーメンのお供として存在しているのが、早なれ寿司。
小ぶりな鯖寿司ですが、これが和歌山ならでは。
注文して提供してもらうのではなく、各テーブルに割りばしなどと一緒に置かれています。
ラーメンを注文して、ラーメンが来るまでの間に食べて待つというスタイル。
もちろん有料ですが、会計の時に申し出てラーメンと合わせて支払いします。
和歌山ラーメンのお店で、この早なれ寿司が置いてあるお店とそうでないお店は、中華そばとして人気のあったころからのお店と、近年の進化した和歌山ラーメンのお店という見分け方もできます。
あくまで全体を見たときの大きな傾向のひとつですが。
また早なれ寿司とともにゆで卵が置かれているのも和歌山ラーメンならではの特徴かもしれません。
ラーメンにトッピングする煮卵や生卵ではなく、早なれ寿司と同様にラーメンが来るまでの間にゆで卵を普通に食べるというスタイルです。
和歌山ラーメンは、メインのラーメンだけではなく、こういった早なれ寿司やゆで卵を楽しむのも和歌山ラーメンの醍醐味かもしれません。
また各店舗によっての少しずつの味の違いなどからお気に入りの中華そばを見つけて、その味を求めて通い続ける人が多いというのも和歌山ラーメンの奥の深さでもあります。
だから行列の有無に関係なく、それぞれ個人個人の人気店が存在するというのがユニークなところです。
いくつかの好きなお店を日によって変え、和歌山ラーメンを楽しむというスタイルが週1回がマストである理由でもあります。
一度ぜひ味わってもらいたいものです。