リーガル・ハートは、弁護士の村松謙一が書いた著書を原作とするノンフィクションの作品です。
2012年に発売された原作はベストセラーで、内容に高い注目と関心を集めています。
今回ドラマ化されたリーガル・ハートは、原作を元に構築された映像作品で、2019年の7月からテレビ東京系ドラマBizで放送中です。
この物語は、企業再生を日本の再生と語る主人公を軸に、これまで倒産から救ってきた数々の企業のエピソードを交え、企業再建の意義を考え直すというストーリーです。
日本企業の内の99.7%が中小企業といわれ、年間倒産数が8千以上発生している中、倒産が経営者や従業員の命に関わる問題と捉えているのが概要です。
ノンフィクションの原作だけあって、内容にリアリティと説得力が感じられることから、ストーリーやシナリオが見どころの1つです。
リーガル・ハートでは、倒産の淵にある企業の再建現場に経営者を始め、従業員や家族といった関係者にもフォーカスを当てます。
ひと度倒産が起こると、家族離散や自ら命を絶つ人が現れ始めます。
加えて、倒産には至らなくても、その可能性があれば関係者は不安に陥り、人間関係が悪化することもあるわけです。
再建弁護士は危機的な状況にある人を見つめ、暮らしを守る知恵や勇気、そして希望を授けようとします。
自らが再生の道を歩む為に、当事者の力を引き出そうとするのが見どころです。
債権者達は、傾いた会社を早く潰そうと力を振るいますが、再建弁護士は人々の命を守る為、法的手段を交えながら債権者と対峙します。
0.01%でも希望があれば諦めない、それがリーガル・ハートの魅力で、生きる力すら感じさせる内容です。
主役の村越誠一には反町隆史、主人公の法律事務所で経理を担当する永井茜役には、小池栄子が抜擢されています。
また、事務員の池田伸司を堀井新太、村越の恩師でもある米倉正臣を橋爪功が務めます。
米倉事務所の新人弁護士武藤には坂口涼太郎、村越の長男の正には水沢林太郎の名前が並びます。
正の姉で5年前に亡くなった、村越の娘麻由役を演じる田畑志真にも注目です。
他にも村越の妻祥子を和久井映見、祥子の母山本多喜子を松本留美が務めています。
このように、リーガル・ハートは主要キャストだけでも豪華で、実力派の本気の演技を楽しむことができます。
リーガル・ハートは毎回ゲストが参加する形式で、物語の幅や厚みをもたせているのが特徴です。
第1話では魚市場と水産会社社長役の石黒賢と、その妻に高橋ひとみ、経理部長に内藤トモヤが登場です。
更に、水産会社のメインバンクの銀行員は高嶋政宏の担当です。
メインキャストにも負けないゲストは、作品の印象を決定づける第1話に抜擢された人達ばかりなので、キャストの力の入れ具合が窺えます。
100億以上の売り上げを誇ったこともある魚市場ですが、経営の悪化によりピンチに陥り、再建弁護士の村越に相談するストーリーに注目です。
第2話は旅館が舞台で、旅館の女将を銀粉蝶、女将の娘で永井茜の旧友に矢田亜希子が登場します。
村越誠一の事務所に現れた米倉正臣は、破産の危機に瀕している老舗旅館の話を始めます。
従業員は半年以上給料を受け取っておらず、顧問弁護士すらもさじを投げている状況です。
文化財指定の旧館建物を守りたい思いを受け取った村越は、厳しい案件をあえて引き受けることにします。
現地調査に同行することになった永井茜は、偶然同級生の花塚千束と再会するのでした。
第3話は老舗呉服屋のストーリーで、キャストは役員の徳重聡と社長の須田邦裕、それから社長の姉で役員の堀内敬子です。
急死した前社長の兄に代わり、急遽弟が社長に就任することになりました。
ところが資金繰りは崖っぷちで、しかも頼りにしていた役員に乗っ取り疑惑が浮上します。
辞めさせようにも辞めさせられず困り果てた社長は、村越誠一の元へと駆け込みます。
役員は社長の姉と結婚の約束をしており、兄が残した3億もの保険金を手にしようと動きます。
果たして再建弁護士は役員の思惑を突き止め、追い払ったり老舗呉服屋を守ることができるのか要注目です。
第4話では、製氷会社の3代目社長が村越誠一の元を訪れます。
とある切っ掛けで売り上げが激減してしまい、新設したばかりの工場の借金で経営が圧迫されていると言います。
銀行の融資は受けたものの売り上げが回復することはなく、追加融資を申し込むと今度は怒鳴られました。
現状のままでは、手形事故が発生して倒産という将来が懸念されます。
村越は一度、経営に甘さのある社長を突き放しますが、若い社員の為に尽力することに決めます。
改めてリーガル・ハートを確認すると、キャストが個性的かつ魅力があって、演技に期待できることが分かります。
それと、実際の出来事をベースに書かれている脚本は、これまでにヒット作を手掛けてきた脚本家の手によるものです。
ストーリーとキャストが相まって、見ごたえのある作品に仕上がっていますから、第1話を見始めたら最後まで目を離すことはできないです。