ノーサイド・ゲームは大泉洋さんや松たか子さんなどをキャストとして迎えた日曜劇場のドラマです。
この枠のドラマはこれまでもたくさんの名作を生み出してきました。
日曜劇場の中でもこの作品は異色の特徴を持っています。
このドラマの特徴は何といってもラグビーを題材にしているところです。
これまでにもスポーツを題材にしたドラマはたくさんありましたが、サッカーや野球といったものが多く、ラグビーと言えばスクールウォーズくらいしか思いつかないという方も多いのではないでしょうか。
そんな中久しぶりにラグビーを題材にしたドラマが登場しました。
スポーツを題材にしているというと、熱血物をイメージする方も少なくありません。
しかし、この作品はそのような作品とは一線を画しているのが特徴です。
主人公は元々会社員として勤めていましたが、ある時にライバルの思惑により、その会社が抱えているラグビー部のGMに就任することになりました。
そのチームの名前はアストロズであり、昨年のプラチナリーグで最下位となってしまった弱小チームでもありました。
アストロズには会社から14億の予算が付けられており、その予算に比べて社の宣伝にならないチームとしてお荷物扱いされていたのが実際のところです。
当然ながら14億円の予算など今年はつけられないと言われてしまいます。
主人公はスポーツマンではなく、あくまで経営的な視点を持っているので14億円の予算をつけないことに肯定的な態度を示しますが、それにアストロズの面々は不満をあらわにします。
その結果、主人公とアストロズは対立するような形になってしまいました。
その流れを変えるキーポイントになったのが主人公の息子です。
主人公の息子は友達にいじめられていて、自分はラグビーを覚えることで仲間に入れるのではないかと父である主人公に打ち明けます。
主人公はラグビーを息子とともに体験することにより、徐々にこのスポーツの良さを感じていきます。
そんな中で部に関する財政状況を確認すると、大きな問題があることが判明しました。
このチームを強くする前に、人気を掴むことが欠かせないと考えたのです。
そこでチームのメンバーにはボランティアに参加することなどを提案、キャプテンを中心としたメンバーは最初そのことに肯定的な態度を示していました。
ところが、彼らは日中に仕事を行い、仕事が終わると同時に練習を行う厳しい日々を過ごしていたので、徐々にボランティアに注げる時間と体力がなくなってしまったのです。
その影響がもろに出てしまったのが人一倍責任感の強いテツであり、テツはある日の練習中に疲れから怪我をしてしまうことになりました。
このことにチームメイトは大きく動揺し、ボランティアに反対する動きが広がっていきます。
けがを治すために入院をしたテツ、テツはそこで予想外の再会を果たします。
それはかつてボランティアとして病院に訪問をした際に出会った少年でした。
そのときにテツはボランティアは相手のためだけでなく、自分のために行うものでもあると気づきました。
主人公とテツの説得により、アストロズの面々は再びボランティアに参加することとなります。その結果はどうなるのでしょうか。
このドラマのストーリーの根幹はラグビー初心者のGMが弱小部を立て直すところにあります。
精神論だけでなく、経営的な視点からどんどんと建て直しを行っていきます。
一方で部のメンバーたちはそのような経営的な視点にたった運営に対して不信感を抱くこともあります。
どのような形で話が展開していくかも重要なポイントです。
ラグビーについてはずぶの素人である主人公は、大学の時の因縁の相手を監督として招きます。
彼は勝つために予算をどんどん要求する一方、確かな手腕を持つ監督でもありました。
経営を主人公が、コーチングを彼が行うことによってどんどんアストロズは強化されていきます。
果たして念願のプラチナリーグ優勝は実現するのでしょうか。
このドラマの概要は弱小ラグビー部が優勝できるかどうかという部分にフォーカスが当てられていますが、決してきれいごとだけでは流さないところにも特徴があります。
主人公は決して完璧超人などではなく、経営者として容赦しない部分もあるため、度々対立が起こります。
どちらが正しいともいえない中でボロボロになりながらも強くなっていくのがこのドラマの大きな魅力です。
主演の大泉洋さんはコミカルな演技でも有名な方ですが、このドラマではシリアスな演技を見せています。
奥さん役は松たか子さんで、さばさばとしながらも夫を支えます。
ラグビーのメンバーたちも個性的な面々が演じています。
それぞれにスポットが当たるストーリーが用意されており、掘り下げられるようになっているのが特徴です。
主人公の最大のライバルを演じているのが上川隆也さんです。
非常にクレバーで冷酷な人物を演じていると言えるでしょう。
主人公とライバルの駆け引きも注目のポイントとなっています。