【甘々と稲妻】は、雨隠ギドさんが原作を描いたお料理を主軸においた日常漫画です。
2016年の夏にアニメ化して放送されていました。
話のあらすじは、半年前に妻を亡くした高校教師の犬塚公平は、5歳の娘であるつむぎを悲しみに浸る間もなく必死に育てていました。
しかし公平は食が細く、興味も薄いため料理がほとんど出来ないのです。
忙しさも相まって、つむぎの食事はコンビニのお弁当や外食、幼稚園へ持っていくお弁当には冷凍食品を主に出してこなしていました。
そんなある日公平の学校の生徒であり、母が料理屋を営んでいる飯田小鳥との出会い、そこで食事の大切さを知った公平は、つむぎに美味しくご飯を食べさせたい一心で、小鳥を加えて定期的にお料理会をして、料理を学んでいくのです。
話の大筋はお料理なのですが、この作品の魅力はなんと言っても登場人物たちの暖かさです!
娘のつむぎちゃんはとても素直で元気な子供らしい子で、公平と亡きお母さんからたくさんの愛情を感じて育っているなぁ、といった印象を受けました。
まだ5歳ということで、母の死をつむぎちゃんなりに理解しようとしている姿がなんとも切ないのですが、公平と小鳥とのお料理会を通して大きく成長していく過程も楽しめます。
また、つむぎちゃんの通う幼稚園でのお友達との日常ももの凄くリアルで、子供たちの日常の会話や時には喧嘩もするのですが、その様子もほほえましくも懐かしく感じました。
父である公平は高校教師としての仕事をしつつ、慣れないながらも家事やつむぎのお世話を毎日慌ただしくこなし、とても頑張っています。
性格もとても温和で、つむぎがお友達とトラブルが起こった際にも真剣に話を聞き、公平なりにアドバイスをしたり、つむぎの好き嫌いにも色々試してくれる、良き父なのです。
そんな公平の弱点が前述の通り「料理」。
最初は野菜を切ることすら一苦労だった公平が、小鳥のお家で料理を習うにつれステップアップしていく様子が胸をつきます。
どうしても味付けには不安があるのか、小鳥と一緒に作った時の味をベースに日々の食事を作っているところも人間らしいなぁと作者さんに関心してしまいました。
そして女子高生の飯田小鳥です。
彼女の母は料理研究家としてテレビに引っ張りだこです。
クール系というか、少し抜けていて学校でもぽーっと一人でいるようなタイプなのですが、母の料理屋をとても大切に思っており、このまま母は料理屋を閉めてしまうのでは?と不安に駆られていました。
その大切な場所で、公平とつむぎちゃんと料理をする時間は彼女が一番最初に希望していたのです。
彼女は食べることが大好きなのですが、包丁が握れないために料理が出来ないため、お料理会は彼女にとってもプラスに作用しているのです。
またその他の登場人物もとても良い人が多く、公平と小鳥のそれぞれの友人や、公平の職場の同僚、さらにはつむぎちゃんの幼稚園の保護者のママさんなど…この町に住みたいなぁ!と思ってしまう程に良い人に溢れているのです(笑)
もちろん1話ごとに登場する料理も見逃せません。
ハンバーグやグラタン、カレーなどの定番から魚を捌くところから始めたお魚料理まで、とても美味しそうなご飯がたくさん登場します。
お米を炊く時に日本酒を加える、ドライカレーにはレーズンを…などなど、やってみようかな?と思って調べたところ、原作ベースのようですが、甘々と稲妻のレシピ本も販売されていたのでとても興味が持てました。
料理をメインに置きつつも、ハートフルな子育ても見ることができ、視聴後はとても心が暖かくなりました。
また是非見返したくなるアニメなので、オススメです。