のだめカンタービレはクラシック音楽をテーマにした漫画で、音大を舞台に色々なストーリーが展開していきます。
音楽の漫画の中でも珍しいクラシックをテーマに採用していて、それまでに無い斬新な切り口を見せている作品です。
クラシックに興味がある人はもちろん、まったく知識が無い人でも楽しむことができるのがのだめカンタービレの魅力です。
クラシック音楽は素人には何となく難しそうなイメージがあり、最初はとっつきにくい印象も持った人も多かったです。
のだめカンタービレは難しい言葉を使わないですし、専門的な描写なども少ないので上手く敷居を下げることに成功しました。
「何となく楽しそうな世界」、「才能ある人がたくさんいる場所」というようなカジュアルな印象に変えることができたのが、のだめ漫画が大ヒットになった大きな理由でしょう。
音楽は目に見えないものなので、漫画にするのは難しいといわれています。
音楽系の物語では人気が出ないということを昔から言われていましたが、のだめカンタービレは良い意味で予想を裏切ることになります。
のだめカンタービレはクラシック音楽を主軸にしているのですが、恋愛もかなり大きな比重を占めてます。
恋愛は女子が大好きな要素なので、これを抜きにしてのだめカンタービレを語ることはできないでしょう。
特に主人公の野田恵と千秋真一の関係性はストーリーのメインと言っても過言ではない要素です。
主人公の野田恵は個性が強いキャラクターで、話の中心にいる人物です。
破天荒な性格で、生活面は女子と思えないだらしない面がありますが、ピアノの才能は確かなものがあり、周りも高く評価しています。
演奏は教科書通りではないですが、独創的で周囲を驚かせる時があります。
家はほとんど掃除しないのでゴミ屋敷のようになっていますし、お風呂も1日おきでシャンプーは5日おきというだらしない生活です。
料理もしないですし、女性らしさを感じることができないです。しかし、世の中にはこのような女性は多く、大学生や独身の女性であれば共感できる人も多いでしょう。
外出する時は綺麗にするけれど、自宅にいるときはだらしない女性は結構たくさんいます。そんな女子が共感できる要素があるのが、のだめドラマは視聴率が高いですし、のだめアニメもヒットしています。
人気はとどまることを知らず、連続ドラマが爆発的な人気を獲得して映画化し、のだめ映画も多くのファンを楽しませることに成功します。
のだめ漫画
のだめ漫画のあらすじを簡単に説明すると、物語は音大からスタートします。
主人公の野田恵はここで運命を変える人物と出会います。それがピアノ科に在籍しながら指揮者を目指すエリート音大学生の千秋真一です。
千秋真一は天才的な才能を持ちながら、幼少期のトラウマで飛行機恐怖症になっていて、海外に行くことができないです。クラシックの本場であるヨーロッパに行きたいと考えているのですが、飛行機恐怖症が影響していて行き詰っている状況です。
圧倒的な才能を持ちながら国内でくすぶっている千秋真一は、野田恵との出会いで運命の歯車が少しずつ動き出していきます。千秋真一は野田恵の才能を誰よりも先に見出します。
野田恵もイケメンで才能がある千秋真一のことを好きになります。お互いがお互いの才能を認め合い、物語は良い方向に動いていきます。
音大にはこの二人のほかにも魅力的なキャラクターがたくさんいて、個性も豊かなので非常に面白いです。音楽には特化していますが、一般的な人とは違った感覚を持っている人が多く、見た目のインパクトも強い生徒が多いです。
いがみ合い、ライバルとの戦いのようなシーンはほとんど無く、基本的にアットホームで親しみやすい雰囲気の中でストーリーが展開しています。
女性の中にはドロドロした話が好きな人がいれば、優しい話が好きという人もいるので、上手くファン層を獲得することができました。
のだめ漫画の魅力は主人公の野田恵の存在感です。酒癖もあまり良くないので、度々お酒でトラブルを起こすこともあります。マイペースで周りを困らせてしまうことも多いですが、基本的に性格は明るくて、ムードメーカーのような一面も持ち合わせています。
千秋真一は周りから見ればカリスマ的な存在であり、弱点が無いように見えますが、意外と小心者で飛行機に乗ることができないです。人間的にも少し気難しいイメージを持たれていて、音大では少し浮いた存在になっています。
周囲から孤立して、自分の今後も悲観的に捉えている中で、野田恵の存在感に魅力を感じるようになっていきます。物事を難しく考えず、自分の考えに従って素直に生きている野田恵の影響を受けて、千秋真一の性格や行動も少しずつ変化します。
才能があっても状況を変えることができないもやもやを抱える千秋真一ですが、ストーリーが進むにつれて心境が変わりますし、人間的にも深みのある人物になっていくのが興味深いです。
のだめアニメ
のだめアニメは子どもから大人まで楽しめる作品になっていて、家族でも安心して楽しむことができます。嫌なキャラクターがいないので、平和的でリラックスして見ることができます。
主人公は憎めない性格ですし、千秋真一もクールで格好良いので女子心をくすぐります。「こんな人がいたら楽しそうだな」という人がたくさん登場しているので、飽きることなく見ることができますし、好きな声優さんがいればその声優さんを応援するという楽しみもあります。
キャラクターと声優さんの相性というのは非常に重要で、この組み合わせが失敗してしまうと作品の完成度は低下してしまいます。
のだめアニメにも女子が好きな要素はたくさん詰め込んであり、たくさんのファンを獲得することに成功します。主人公の野田恵は身の回りに一人は居そうな雰囲気があり、嫌味が無いので親しみやすいです。
千秋真一はイケメンで天才なので、いかにもアニメのキャラクターという感じですが、そこまで浮世離れしていないので実際に居ても違和感がないです。
アニメは漫画とは違い、実際に音楽が流れるので耳でも楽しむことができます。作中では有名な曲も流れるので、クラシックの知識がそこまで無くても「どこかで聴いたことがある」、「何となく有名な曲」ということは分かるはずです。
クラシックに関して素人であっても素直に楽しむことができますし、抵抗無く世界感に入っていくことができます。アニメならではの擬音や効果音、テンポの良さはのだめカンタービレの雰囲気に上手くはまっていますし、キャラクターの個性がより引き立っているので素晴らしいです。
漫画から入った人でも満足できる完成度ですし、アニメ作品から入ったとしても十分楽しめるでしょう。アニメ作品は人気が上昇していき、今までは興味が無かった層も獲得することに成功します。
レギュラーネット局などでのみで放送が開始するのですが、徐々に口コミで人気が上昇して、放送局は増えていきます。最終的には23局という記録を残しています。この数字は過去最多であり、のだめカンタービレの人気がいかに凄かったのかを示すことに成功します。
ストーリーはテンポ良く進んでいくので、アニメにありがちな停滞感のようなものは感じないです。アニメは回想シーンや時間稼ぎをすることが多いですが、のだめカンタービレはそのようなことをしないので、見ていてストレスを感じないですし、爽快感もあります。
のだめドラマ・映画
のだめドラマで魅力にどっぷりはまったという人は非常に多いです。ドラマは1週間で1話分しか話が進まないので、視聴者はワクワクする時間があります。この時間が楽しさを倍増させますし、毎週放送を楽しみすることができるというのも特徴です。
漫画を実写化するときは、キャスト選びが非常に大事なります。多くの作品が実写化で失敗をしているのは事実です。「イメージとは違う俳優が演じている」、「実写になったら魅力がなくなった」というような批判的な意見が寄せられることも多いです。
しかし、のだめカンタービレはこのような批判的な意見はほとんど無く、キャストを賞賛する声が圧倒的多数です。実写化に成功した数少ない例としても有名です。
のだめカンタービレのキャストを見ていくと、素晴らしいところがたくさんあります。まずは主人公の野田恵ですが、このキャラクターは上野樹里さんが演じています。当時の上野樹里さんは若手の注目株であり、これから成長していくことが期待されていた人物です。
可愛いだけではなく、本格派の演技ができることで知られていましたが、のだめカンタービレではコミカルなキャラクターを演じなければいけないですし、役作りが非常に鍵を握ります。人気の漫画が原作になっているので、プレッシャーも大きかったと思いますが、見事に役作りをして演じきることができました。野田恵の独特な雰囲気を出すために言葉のイントネーションや言い回しを工夫しています。
もう一人の主人公といわれている千秋真一は、すでに人気俳優だった玉木宏さんが担当しました。玉木宏さんは若い時から注目されていた俳優で、地道に実績を積み上げてきた努力家でもあります。役のためにダイエットをすることもありますし、明るいキャラクターからシリアスなキャラクターまで幅広く演じることができます。低い声が特徴で、男性らしさと色気の両方を兼ね備えた数少ない俳優です。
千秋真一のイメージにピッタリという意見が多く、このドラマが大人気作品になったのは玉木宏さんが演じる千秋真一の功績が大きいです。年を重ねた今は渋さを増していて、新しいチャレンジにも積極的な姿勢を示しています。
のだめカンタービレは大ヒットをして、映画化も決定します。映画でもキャストは大きく変わることが無く、主人公の二人も固定することに成功します。映画の人気も高く、高い評価を得ています。ドラマを見てから映画を見ることでよりストーリーに入り込むことができます。
のだめカンタービレのおもしろさ
のだめカンタービレの面白さはたくさんありますが、まずは主人公二人の掛け合いでしょう。
野田恵と千秋真一のやり取りは世の中の女子が好きな要素がたくさんあり、女心をくすぐる雰囲気に仕上がっています。アニメのキャラクターを忠実に表現していて、違和感が無い実写化に成功したのが成功の秘訣でしょう。のだめカンタービレの世界感はアットホームで親しみやすいです。この世界感を上手く切り取ることに成功していて、これが面白さにつながっているはずです。
音大という舞台と、クラシック音楽をテーマにした点も素晴らしいです。今までの漫画で音大をテーマにした作品は無かったですし、ライバルを蹴落とすようなシーンが無い優しい作品も少なかったです。恋愛要素がある学園ものは人気のコンテンツですが、そこにクラシック音楽を組み合わせたのが非常に斬新でした。
クラシック音楽をテーマにすると重苦しくなりそうな気がしますが、野田恵のようなコミカルで明るいキャラクターと、クールで王子様のような千秋真一がいることでキャッチーな雰囲気に仕上げることに成功しています。
のだめカンタービレの面白さは音楽性の高さ、作中の挿入歌なども関係性があります。挿入歌も完成度が高く、製作スタッフのセンスの良さや意気込みも感じることができます。ドラマになっても原作に忠実な部分が多く、世界感を壊すことなく上手く演出することができています。
のだめカンタービレを見て、上野樹里さんと玉木宏さんのファンになった人は多いでしょう。上野樹里さんは女優としてワンランク上に進むことができましたし、多くの女優がぶつかる若手から中堅への変革の時期をスムーズに過ごすことができます。
年齢を重ねると演技は変わりますし、年齢に応じた役柄を担当する必要があります。可愛いだけでは一流になることはできない世界なので、厳しい世界です。そんな世界で第一線で活躍出来ている上野樹里さんは本当に凄いです。トップの女優に成長させてくれたのがのだめカンタービレといっても過言ではないです。
玉木宏さんの見た目の完成度も非常に素晴らしいです。キャラクターのイメージにピッタリとはまりましたし、女性ファンを納得させるだけのクオリティを追及することに成功します。
のだめカンタービレは独特な世界感があり、魅力的な要素が詰まっているので非常に面白いです。テンポが良くて展開もあり、視聴者を飽きさせない工夫も感じます。