TBSにて2018年の7月から9月まで、全10話の連続ドラマとして放送された「義母と娘のブルース」。
あれもこれも全てが良かったのですが、いくつかその魅力をご紹介いたします。
綾瀬はるかの演技力に圧倒される
バリバリのキャリアウーマンである岩木亜希子を演じたのは綾瀬はるかさんです。
もちろん主役なので目立つ存在なのですが、再婚予定の相手の連れ子であるみゆきちゃんに名刺を差出して、腰を直角に折りながら「私、このような者にございます」 と挨拶する場面は度肝を抜かれました。
腹踊りまで披露する綾瀬はるかさんには、プロ根性も感じました。
こうしたデフォルメされた演技も綾瀬さんだから違和感なく見ることができたし、このキャラクターに愛着を持てたのだと思います。
子役の健気さに心が動かされる
結婚相手の娘であるみゆき役は横溝菜帆さんが演じました。
大人顔負けの演技力とかわいさで、思わずみゆきに感情移入してしまうほどでした。
義母にすぐには素直になれないけれど、ほんの少しずつ心を開いていく姿が健気で何度も涙を誘いました。
すごい子役が出てきたものだとスターの誕生をリアルタイムで見られたことも、視聴者冥利につきます。
みゆきの父の葬儀でのシーンは秀逸
ドラマが後半に入った第6話で、みゆきの父の葬儀のシーンがあります。
あまりの悲しさの中、実母の早世によって経験済みだから大丈夫とばかりに、みゆきは淡々と洗い物をします。
その姿を見た亜希子がみゆきを思わず抱きしめるのです。
泣き出したみゆきはやっと「お母さん」と亜希子に言います。
二人とも抑えていた悲しみを表に出すことができ、さらに親子のきずなが生まれたのでした。
涙なくしては見ることができない、まさに名シーンです。
エンディングで流れる曲が感動を増幅させる
エンディングでMISIAの「アイノカタチ」が流れるのですが、ストーリーだけでも感動しているのに、この名曲が心を揺さぶってより一層感動が湧き出てくるのです。
歌詞の“あのね、大好きだよ”という言葉を聴くだけで、亜希子やみゆき、そして亡くなったみゆきの父などのお互いに大好きなんだよという気持ちが胸に迫ってきます。
「義母と娘のブルース」は、主演の綾瀬はるかさんが強いビジネスウーマンとしての表情、義母として悩む弱気な姿などの多面的な亜希子をうまく演じたことが最大の魅力です。
そして、心温まるストーリーと素晴らしいエンディングテーマ曲の相乗効果で、一度見たら忘れられないドラマになると思います。