東京のテレビ局の台風報道の課題

 

 

2019年には関東地方を相次いで台風が襲いました。

 

天気予報では大きくて強い台風だと警鐘が鳴らされていました。

 

しかし台風が近づいても、関東のキー局と言われる各局がニュースで報道していた事は、鉄道の計画運休による都心の混乱の有無等が中心で、余りテレビ局自身が、台風の恐ろしさを知らないと言う印象を受けました。

 

そして、現実に台風が近づき、被害が発生しつつある状況でも、被害状況の報道が極めて少なかったように思います。

 

2018年の関西を襲った台風に対して関西ローカル局が報道していた内容と比較して、その報道姿勢に疑問を持つほどでした。

 

最初の15号の時には、風による被害が中心で、こちらは風がピークの時には無理にしても、風が弱まれば、各方面に車を走らせ、すぐに被害状況を伝える事が出来たはずです。

 

また視聴者から多くの被害状況の動画も投稿されているはずでしょうが、その投稿を頼りに各地にすぐに取材に向かい、ニュースで流すと言う事も少なかったように思います。

 

東京のキー局と呼ばれるテレビ局の社会部の取材能力に疑問を感じるほどでした。

 

また、被害の状況が明らかになった数日後にも、千葉県で高圧鉄塔が折れて倒れたり、大規模停電が発生している状況についても、ワイドショー等での掘り下げが時間を割いているにも関わらず、内容が希薄だと言う印象を受けました。

 

2018年の関西を襲った台風でも、広範に停電が発生しましたが、その復旧が東電よりも遥かに早かったのです。

 

この点に関して、ある局が復旧カーブを示していましたが、当初停電軒数は同程度であり、また完全復旧までの日数は同じ程度でしたが、80%程度の軒数が普及するまでの日数に大差があったのです。

 

これに対しても、MCや他のキャストも、東電が慣れていない事や倒木が多くて、中々故障個所を見つける作業に手間取った事が上げられています。

 

しかし、2018年の関西の台風では、大阪都心や周辺の住宅地でも多くの倒木が発生し、公園などでは倒木が片づけられるまで、1週間程度子供を遊ばせられないエリアも多数ありました。

 

千葉県には山深い地域があり、その復旧が遅れるのは仕方ありません。

 

これは関西でも紀伊山地の山深い地域は同様で、これは最後の10%程度の軒数の復旧に時間を要する事に現れており、両地域でも完全復旧には同程度の日数を要した理由だと分析されます。

 

関東は台風の経験が少なく、関西と比較する事で、課題をもっとあぶりだすべきですが、それも行われませんでした。

 

東京のテレビ局は、取材も弱く、社会インフラの課題や復旧対応の課題にもとりあげが少なかったと言わざるを得ません。

 

そして冒頭に記載した様に、鉄道が計画運休しているターミナル駅を台風が近づく中で、一般の人が普通に沢山通行している中、ヘルメットを被った記者やアナウンサーが状況を伝えているのが滑稽にさえ見えました。

 

 

沖縄や九州・四国の方はもちろん多くの被害が出る規模の台風の恐ろしさを何度か体験されているはずです。

 

また関西でも年配の方は第2室戸台風の風の被害体験があり、近年でも近畿の日本海側の台風の洪水被害そして2018年の台風と、いくつかの状況を大阪のテレビ局の報道やワイドショー話題として取り上げられ、その恐ろしさを知っています。

 

さらに東海地方の高齢者は、伊勢湾台風の高波の恐ろしさを体験されています。

 

これに対して、関東では年配の方でも、台風の恐ろしさを体験されていない事が、こうしたニュース報道の弱さに繋がっている気もします。

 

体験した事がないからこそ、九州・四国・関西と対比する事で、後々に防災に役立つ教訓を知り、それを報道する事も出来たはずです。

 

大規模停電で鉄塔や電柱が倒れた事の対策として、地下埋設・無電柱化を多くのキャスターが話していましたが、19号が水害時にはこの対策がむしろ大停電を引き起こす可能性を示唆し、そんなに簡単なものでない事を露呈しました。

 

2019年の台風報道を通じ、東京のテレビ局の報道の軽さを痛感させられました。