浮気から始まる本気の恋『恋のツキ』

アラサー女子のリアルな心の内

私が読んで夢中になった漫画の作品は、新田章さんの恋のツキです。31歳のワコは、彼氏のふうくんと同棲4年目に突入。小さな衝突はありながらもゆくゆく結婚も考えて過ごしていた。そんな中で運命的に出会った15歳のイコくんと恋に落ちたワコ。結婚間近のふうくんと理想の恋人イコくんとの間で揺れ動く心を描いた作品です。

 

見どころ1

結婚、出産といったアラサー女子に迫るリアルな問題をテーマにしているところが1つ目の見どころです。長く同棲したふうくんと居る道を選べば、結婚し子供を作る未来はすぐに手に入ります。けれども2人はお互いを小さく見積もって安心する関係。そんな2人の在り方に疑問を抱くワコ。

反対に、結婚とは遠く離れた年齢のイコくんは、お互いに尊敬し合い、大切に思い合える関係を確信しています。安定を取るか、自分の気持ちに正直になるか、究極の2択を迫られたワコが選んだ答えは、イコくんと居る道でした。この選択肢を選ぶのには、とても勇気がいると思います。まだ高校生のイコくん。未完成の男性、これからどう成長していくのかもわかりません。しかし、イコくんと居て幸せを感じられて、互いに励まし合い尊敬し合い高め合えることでモチベーションを高めていられる自分に気付くことができたからこそ、決断できたのだと思います。

女性が安全に出産することには期限があります。その現実をワコは実の姉から突きつけられます。産めない身体になったら2度と子供は産めないんだ。と。子供は授かりものであり、望んでも叶わない人も世の中にはたくさんいます。そんなデリケートな問題もアラサー女子には迫っているのです。この作品では、アラサー女子のリアルな問題やそれに向かう心情が描かれており、共感しはっとさせられるところが沢山ありました。

 

見どころ2

新田章さんの絶妙な絵の見せ方です。絵で人物の心情を表している描写が多く、あえて提示するのでは無く、読み手が登場人物の心情を推測しながら読むことができることが、この作品の1番面白い点だと思います。私の鳥肌のたった描写は、出会った頃お揃いだったスニーカーが、終盤でイコくんの物だけ新品の物に変わっていた場面です。これは、イコくんの気持ちがワコではなく、新たな女性に向いていることを示唆しているのですが、言葉やシーンで見せるのではなく、1枚の絵で全てを表しており、イコくんの気持ちの強さがわかる描写でした。

このように作中の絵の見せ方は独特で意味を含んでいる場合が何箇所か見られました。その場面で人物の心情や作者の示唆している物を想像しながら読み進められることがこの作品の醍醐味なのでは無いかと思います。

 

見どころ3

親しみやすい小道具たちが登場します。主人公のワコはじめ、ふうくん、イコくんは決して裕福ではない様子なので、アパートもどこかレトロな家で親しみやすさが感じられます。また、この作品のキーにもなるワコの趣味ガチャポン。これが作品名にもあるツキとも関連しています。ワコとイコくんが一緒に買ったアネモネの鉢植えなど、どこか親しみやすいアイテムがたくさん登場するところが親近感を持てました。

 

まとめ

最終的にワコは1度イコくんとお別れするのですが、ツキが回ってきたおかげでイコくんと再会し結ばれます。私は、自分の気持ちに正直にあり続け、イコくんとの幸せを成し遂げたワコの強さに感動しました。目の前に突きつけられる問題や世間の目もある中でなかなかできない選択だったと思います。

ワコの強さに勇気づけられたように思います。良いことも悪いことも平等にやってくるけれども、強く願っていればツキは回ってくるということをこの作品では強く伝えようとしているのでは無いかと思いました。

 

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