北斗の拳は時代を超えて愛され続ける

現在も数々のアクション漫画、人間同士の戦いをモチーフにした漫画が描かれていますが、私の中では原点として今でも時折読み続けている作品があります。すでに連載終了から30年近くが経ちますが、その輝きを失わない作品、それが北斗の拳です。

私自身が数十年も愛し続けるこの作品の魅力を今から具体的にご紹介していきたいと思います。

時代を先取りした背景

北斗の拳の舞台となるのは核戦争によって崩壊した地球のその後の世界になります。漫画のオープニングで語られるセリフがそれを物語っています。少し触れると、199X年、世界は核の炎に包まれた。生き残った人類は少ない食料をめぐり、暴力の荒野と化した。

要するに、暴力が支配する時代が訪れ、人間がどのように再生していくかを描いた作品なのです。そこでついたサブタイトルが「世紀末救世主伝説」です。

主人公ケンシロウ

北斗の拳の主人公は、一子相伝の北斗神拳の伝承者ケンシロウです。

2000年の歴史を誇る拳法の伝承者だけあって、超人的な強さを誇るのですが彼が世紀末救世主と呼ばれる所以はその優しさにあります。いちどはその優しさが仇となって恋人を奪われ瀕死の重傷を負い、そこから自分自身が再生することで甘さや怒りを本当の優しさに変えることによって、荒廃した世紀末を変えていくことになります。

彼が出会う数々の強敵はそれぞれに強い自我を持ち、あるものはケンシロウに倒され、あるものはその魅力に惹かれて新しい時代を作っていこうとします。作品の中ではこのようなライバルたちのことを強敵と書き、友と読んでいます。

実際に最終回では本人が自分が時代を作ってくることができたのも数々の強敵との出会いがあったからであると語る通り、作品を通じて彼を囲む強敵たちの存在は非常に大きなものでした。

ラオウ

ラオウとは、数々の強敵の中でも最も強大な存在であり、同じく北斗神拳の頂点を目指したケンシロウが目標とした人物でもあります。この作品の中で、脇役と言いながらも作品終了後も非常に人気を博し、主人公以上に注目を浴びたいと言う意味では、ボクシング漫画である明日のジョーの力石のような存在であると言えるでしょうか。

作品を読み込んでいけばよくわかるのですが、ラオウは荒廃した世の中を収めていくためには暴力しかないと考えて世界を1つに持っていこうとします。しかしながら、暴力によって統治された世界は、人間に安らぎを与えるものではなくどこかでまた崩壊すると言うことも知っていたのです。世界を収めていくべきはやはり優しさや愛であり、いちどは暴力で統治した世の中を誰かに譲りたいと考えていたわけです。そしてそれがライバルでもあったケンシロウでした。

この2人の戦いは凄絶を極め、最終的にはケンシロウが勝利を収めるわけですが、ラオウは死を前にして、「我が生涯に一片の悔いなし」と語り、自ら天に召されています。これこそがラオウが自分がやりきったことを物語るのではないかとおもいます。

まとめ

北斗の拳は、連載終了後もファンドでスピンアップ映画化がはかられたり、蒼天の拳という前時代の北斗神拳の伝承者の物語が作られたりと非常に広がりをみせています。多くの戦士、男たちがさまざまな戦いの中で我々読者に男とはかくあるべし。時代とはこうつくられていくものである。と多角的に語りかけてきます。

だからこそ、普遍的なメッセージがあり、時代を超えて愛され続けるのではないかとおもいます。

わたし自身もこれからも時折読み返して、時代はどうあるべきか、男とはどうあるべきかを学び返したいと考えるとともにさらに多くの方々に北斗の拳を知ってもらうための啓蒙もしていきたいと考えています。