ドラマ「のだめカンタービレ」について

 

 

「のだめカンタービレ」は、2001年から2010年まで連載された、音楽大学に通う学生たちを題材にした二ノ宮智子の人気漫画です。

 

アニメ化等もした人気作品ですが、2006年10月から12月まで、フジテレビ系の連続ドラマとしても放送されました。

 

この連続ドラマが平均視聴率18.9%と好評を博し、その後、特別編として2008年1月に「のだめカンタービレ・新春スペシャルinヨーロッパ」が放送されました。

 

 

更にはテレビドラマの続編として、2009年から翌2010年に映画「のだめカンタービレ・最終楽章」二部作も公開されました。

 

 

最近は人気漫画を原作とするテレビドラマが増えていますが、そもそも原作自体に大勢のファンがついているため「キャラクターと俳優のイメージが合わない」「良いエピソードをテレビでは取り上げなかった、もしくは改悪された」といった批判を浴びることも多く、人気漫画原作のドラマが必ずしも高評価を受けたり高視聴率をとるとは限りません。

 

むしろ、原作ファンからの強い反発を受け、失敗作だという手厳しい評価を受けることの方が多いという傾向にあります。

 

 

そんな中、この「のだめカンタービレ」は、高視聴率を維持しただけでなく、キャストや内容についてもとても評価が高く、「数少ない人気漫画原作作品の成功例」とも評されています。

 

今回はそんな「のだめカンタービレ」の魅力について、紹介したいと思います。

 

「のだめカンタービレ」は音楽大学に通う学生たちが音楽家になりたいという夢に向かって努力する姿や、彼らの恋愛模様を描いた、青春群像劇ともいえる作品です。

 

作品を通しあまり親しみがない人が多いであろう音楽大学の様子やクラッシック界の様子を知ることができることも他にはない大きな特徴であり、魅力です。

 

原作の漫画だけでは作中のキャラクターが奏でる音楽を聴くことはできませんが、映像作品ではそれが可能で、美しいクラッシック音楽や壮大なオーケストラをテレビという親しみやすいツールで聴くことができたことも、この作品が成功した理由の一つだと言われています。

 

クラッシックというと、格調高く高価で難解で、一部の上流社会の人だけが親しむような敷居が高いイメージがあります。

 

しかしこの作品は意外にもコメディータッチで、堅苦しさは勿論、気取った感じすらまったくない、非常に親しみやすい内容であることが特徴です。

 

 

まず主人公であるピアノ科に通う「のだめ」こと野田恵(のだ・めぐみ)ですが、彼女は周囲から「変態」と評されるほど個性的なキャラクターで、天才的なピアノの腕を持ちながらもその学習態度は真面目とも一生懸命とも言い難いという有様です。

 

主人公「のだめ」の憧れの人である千秋真一は世界的な指揮者を目指す優秀な学生で、周りだけでなく本人も自分の才能を大いに認めている俺様な性格でありながら、飛行機恐怖症で海外留学に行けず苛立ちを募らせているというこれまた癖の強いキャラクターです。

 

この二人を主軸に、ヴァイオリン科の峰龍太郎と三木清良、声楽科の学生で千秋の元彼女でもある多賀谷彩子等、様々なジャンルの音楽を専攻する音大生が沢山登場しますが、皆どれもアクの強い、魅力的なキャラクター揃いです。

 

 

「のだめ」を上野樹里、千秋真一を玉木宏という人気俳優が演じ、その他にもオーケストラシーン等は沢山の俳優が出演し、峰龍太郎を瑛太、三木清良を水川あさみといった豪華な俳優陣が脇を固めたこともこの作品の魅力を更に高めました。

 

特に主演の上野樹里演じる「のだめ」の演技への評価は高く、コメディなシーンの多い強烈なヒロインを「まるで原作そのままだ」と評されるほど熱演し、話題になりました。

 

そのようなギャグタッチな作品でいながら、演奏場面ではしっかりと高い演奏技術の音楽を聴かせるように作られ、よりリアルで質の高いクラシックの演奏シーンを撮影するため主要キャストは自分が演じる役が担当する楽器や指揮を実際に習い、見事な演技を披露しました。

 

 

サウンドトラックの演奏のために公募されたメンバーにより「のだめオーケストラ(のだめオケ)」が結成され、この「のだめオケ」のメンバーは作中に登場するAオケおよびSオケ等のメンバーとしてエキストラ出演も果たしています。

 

こういった「のだめオケ」の公募とサウンドトラック音源の収録には、東京都交響楽団と指揮者のジェイムズ・デプリーストが協力しました。

 

また、原作者の二ノ宮智子とも交流のあるNHK交響楽団のオーボエ奏者である茂木大輔、指揮者の梅田俊明らも指揮指導や音楽関連のアドバイザーを担当しています。

 

作中の人物を演じるアイドル歌手等の曲とタイアップすることが多い主題歌やBGMにも、作品の内容に合わせベートーベンの「交響曲第7番」や「ラプソディ・イン・ブルー」等の様々なクラッシック作品を使うというこだわりようでした。

 

人気漫画原作作品としては珍しいほどの高評価は、こういった制作側の細やかな努力や配慮によってもたらされました。